スイッチ
「……この前繋いでただろ
今日はいいの?」
少し照れて、少し拗ねたように
ほんのり赤くした顔でそう言った淳
「……いいの?」
淳から手を差し出してくれるなんて、なんだか信じられなくて、疑うように聞いてしまう
「嫌なら別にいいけど……」
「い、嫌じゃない!……手、繋ぎたいです………」
差し出されていた左手を引っ込めようとする所を、必死に掴んでお願いしたら
「ん……行こ」
優しく手を握り返してくれて、自然と顔がにやけてしまった
「……淳の手、あったかいね」
「ん
さっきまで部活してたからな」
「ふふふ
淳は人間カイロだね」
「なんだよそれ(笑)」
そんな何気ない会話をしながら、2人手を繋いで駅のホームに向かって歩いて行った