スイッチ
「あっ、淳!こっちのも可愛いよー!」
あれから二人手を繋いで電車に揺られ、約30分、最近できたショッピングモールにまでやってきた
今は朱莉ちゃんの好きそうな雑貨を扱うお店で、淳とプレゼント選びの真っ最中だ
「なんかどれも同じに見えるんだけど………」
両手に色違いのマグカップを持った淳には、女子の好みが分からないみたいだ
「全然違うよー!この可愛さが分からないのー?」
「いや、可愛いとは思うけどさ、フリルとかレースとか似たような感じで違いが全く分からないんだよ
やっぱ宇美が一緒に選んでくれて良かったよ」
「男の子はそんな感じなのかもね
うちの弟はやたら詳しすぎるのかな」
想宇はなぜか昔から女の子の好みを分かっているから
私の誕生日もいつも何も言わないでも好みに合ったプレゼントをくれるし……
我が弟ながら、感心してしまうよ
「想宇はそういうのスマートにこなすもんな
そういえば、昨日珍しく想宇から電話かかってきたぞ」