スイッチ


「ん、なぁ、ちょっとパンケーキ食べたい」


頭を切り替える為に話題を変えてみる



「いいよ!はい!」



そう言って、自分の手元のパンケーキの皿をこちらに差し出してきた


いちごがたっぷり乗ったパンケーキは、甘いものがそこまで好きじゃない俺から見ても美味しそうに見える


さっそくいただこうとしたのだけど……



「………フォークないな」



予備のフォークを探してみたが、近くには見当たらなかった


だから、しょうがない、うん



「宇美、フォークないから食べさせて」



フォークを無いのを言い訳に、宇美に向かって口を開けた



そんなこと俺が言うなんて思っていなかった宇美は



「ええっっ!!」



一気に顔を赤くして驚いていた



「予備のフォーク置いてないんだって

ほら、一口だけくれよ」



真っ赤になったその顔が可愛くて、もっとその困った顔が見たくてわざと意地悪に言ってしまう



俺は好きな子をいじめる小学生男子か………






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