スイッチ
「……何してんの?」
私のすぐ後ろに、少し不機嫌な声をした淳の姿があった
トイレに行ったこの短時間に、一体何があったんだろう……
何か嫌なことがあったのかな?
微かに眉間にシワが寄っている………
「お!斉藤!今ばったり水原と会ったからしゃべってた所なんだよ!」
淳の不機嫌な声に全く気づかない吉田君は、呑気に状況を説明している
「へぇ……悪いけど俺ら急いでるから、先帰るな
宇美、行こう」
そう言いながら、淳は私の腕を掴んで、改札の方に歩いて行こうとする
あれ?そんな急いでたかな?
淳の言葉に疑問はあったけど、正直あまり吉田君と長くしゃべっていたくなくて、引っ張られる腕に素直に従って歩き出した
「水原!また明日、帰る日決めような!」
歩き出した私達に向かって、手を振りながら言う吉田君
「うん?……バイバイ」
とりあえず、そんな吉田君に向かって軽く手を振り返した