スイッチ
駅のホームに声が響き、周りからの視線に気づいた所で少し冷静になれた自分がいた
「………何で、そんないきなり怒るの
いつもの淳と違うよ」
こんなに怒りを露わにして怒る姿は初めて見たかもしれない
だからこそ、なんでそんなに怒っているのかが気になった
「……いつもの俺ってなんだよ
今こうして怒ってる俺だって俺だよ」
今度は弱々しい声で俯く淳
いつもは冷静に周りを見てて頼れるお兄ちゃんで、いつだって堂々としている淳からは想像できなかった姿
「淳………私が怒らせたなら謝るから……ごめんね?」
こんな淳の姿を見たら、どう考えたってきっと私に落ち度があったと思って、素直に謝った
なのにーー
「いや、宇美は悪くない
………大きな声で責めて悪かった
もう遅いし、帰ろうか?」
明らかに無理をした笑顔で、淳はそう言ったんだ