スイッチ
「じゃあ、何?
お前はこれからもずっと宇美と仲良く幼馴染する訳?
今後、あいつが他の奴と付き合って、結婚して、そういうのずっと隣で見守っていくつもりか?」
そんなの…………
「できる訳ねーだろ!?
ちょっと宇美に気がある奴と話してる所見るだけで、そんな嫉妬してる奴がさ
それにさ、本当に恐いのは宇美の方だろ?
お前の気持ち、全く知らないんだから
なのにあいつは、お前と少しでも近づきたいから、頑張って行動に移してるんじゃねーの?
それでもお前が幼馴染が壊れるのが恐いっていうなら、宇美の隣にいる資格ねーよ!
吉田の方がまだマシ!!」
聡から放たれた言葉たちが突き刺さり、頭をガツンと叩かれた気持ちだった
それと同時に、俺は1番大事なことが分かっていなかったことに気づいた
宇美の唇が頬に触れたあの時、真っ赤な顔して震えてた
次の日は寝不足な顔して「おはよう」って言って、それに返したら安心したように照れて笑っていた
あの時、きっと俺なんかより宇美は不安で、俺の反応を伺っていたに違いない
幼馴染の関係が壊れるかもしれないと、恐い気持ちであったに決まってる
それでも、その後俺に話しかけてくれて、一緒に帰ってくれて、勇気を出して手を握ってくれて……………
言葉はないけど、こんなにも宇美から「好き」をもらっていて、まだ恐いなんて、俺はバカじゃねーの