スイッチ
……いつも思うけど、お母さん声デカすぎ
私はさすがに扉と階を超えて声を届けることはできないので、自室の扉を開けて声を返す
「何ーー?」
「淳君来てくれてるから、ちょっと出てきてー!」
「……えっ!?」
「早くねー!」
えっ?えっ?えっ!?
ちょ、ちょっと待って
お母さんの言葉が信じられなくて、私は急いで部屋の窓から下の玄関口を見た
嘘………
何で………?
そこには間違いなく淳の姿があって、私の視線に気づいたのか上を向こうとしたのに気づき、思わずカーテンの陰に隠れた
「どうしよう…………」
こんな泣きはらした顔で淳に会えない
それに、今会っても普通に会話ができる自信がない
「宇美ーーー!!淳君待たせないの!!
早く降りて来なさい!!!」
ヤバ……
お母さん若干キレてる
家族の中でキレさせたら1番手に負えないのはお母さんってことは、家族全員が承知の為、仕方がなく重たい足を動かした………