スイッチ


泣きはらした顔を見られたくなくて、淳を目の前に俯く



「宇美、遅くにごめんな

ちょっとだけ外出れるか?」


目の前の淳には先程の恐い雰囲気はなく、いつものように優しく話しかけてくれた



「……お母さんにちょっと言ってくるね」


「分かった

おばさんにしっかり送り届けるからって言っておいて

俺、玄関出た所で待ってるな」



俯いた顔をさらに俯いて頷き、玄関を出る淳を見送った



もうすでに周りは暗くなっていたけど、

「了解〜!淳君によろしく伝えておいてー!」


お母さんの大のお気に入りの淳は信頼抜群で、あっさり外出の許可が出た



「それにしても、ひっどい顔ねー!

何があったか知らないけど、帰ってきたらちゃんと目冷やしなさいよ!」



娘が泣きはらした顔をしてるっていうのに、この冷たい対応……


ひどいと言えばひどいけど、お母さんはいつもこんな感じだ


まぁ、本当に困った時はしっかり助けてくれるのは分かっているし、デリケートな部分にあまり深く突っ込んでこないのは私もありがたいと思ってる


「はーい!行ってきます」



そうして、私の背中で手を降るお母さんに声をかけ、淳の元に向かった

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