スイッチ
2人で来た公園は近所なのに、久しぶりに来たせいか、なんだか懐かしい感じがする………
「淳………話って?」
本当は不安な気持ちでいっぱいだけど、この不安が長く続くのが1番嫌だから、私の方から口を開いた
「うん………宇美、ごめんな」
ビクッ
淳の手がいつの間にか私の頰に伸びてきていて、反射的に肩が上がってしまった
「さっきまで、泣いてたんだろ?
俺のせいだよな……」
淳の指が涙の跡をなぞる
やっぱり泣いたの分かっちゃうよね
「あつ………」
『淳』と名前を呼ぼうとしたのに、その声は最後まで発することができなくて、気づけば目の前には淳の匂いと背中には温かい腕が回されていた
私、淳に抱きしめられてるーーー?
「ごめん、このまま俺の話聞いてくれるか?」
いきなり抱きしめられて頭の中はパニックになっていたけど、淳の少しか細い声で我に返り、抱きしめられた腕の中でただ素直に頷いた