スイッチ
自分の好きな人が自分を好きだと言ってくれて、大好きな人に好きを伝えて喜んでもらえるなんて、なんて素敵なことなんだろう
すごく嬉しくて、けど不思議と少し胸が苦しくて切なくて、涙が溢れてしまうこんな感情を、私は今まで知らなかった
本当はね、いつから私のこと好きだったの?とか
どこが好きなの?とか
知りたいことは沢山あるんだけど、それよりもただ嬉しい気持ちが大きすぎて、その気持ちを、涙を抑えることで一杯一杯だった
そんな私の考えが分かっているのか、淳は何も言わずにまた優しく抱きしめてくれて
ここは私の居場所なんだって思って、また涙が流れてしまった
好き、好き、大好き
その気持ちを込めて、淳の背中にぎこちなく回した手を涙が枯れるまでギュッと掴んでいたーーー