声にできない“アイシテル”
・・・って、思ってたのに。
放課後。
図書室に向かう途中、その先輩と顔を合わせた。
合わせたって言うか、余所見をしていた先輩が私に気が付かなくてぶつかってきただけなんだけど。
あっと思った時にはもう遅くて。
目の前には見上げるほど背の高い桜井先輩がいた。
先輩はぶつかったのは自分が悪いと分かっていたらしく、
「ごめん。
ケガはなかった?」
と訊いてきた。
その声がなんだか硬くて、不機嫌そうで。
私は無言で首を振った。
話せないから、無言になるしかないんだけど。
放課後。
図書室に向かう途中、その先輩と顔を合わせた。
合わせたって言うか、余所見をしていた先輩が私に気が付かなくてぶつかってきただけなんだけど。
あっと思った時にはもう遅くて。
目の前には見上げるほど背の高い桜井先輩がいた。
先輩はぶつかったのは自分が悪いと分かっていたらしく、
「ごめん。
ケガはなかった?」
と訊いてきた。
その声がなんだか硬くて、不機嫌そうで。
私は無言で首を振った。
話せないから、無言になるしかないんだけど。