声にできない“アイシテル”
 俺は叫ぶ。
 
「違う!
 同情じゃない!!」



 俺は彼女の瞳をじっと見つめる。


「―――好きだから」

 言葉にも、視線にも、自分の想いを乗せる。


 彼女の大きく愛らしい瞳が、驚いてギョッと見開かれた。



 俺は生まれて初めての告白を続ける。

「好きなんだ。
 いつもそばにいたい。
 いつまでもそばにいたい。
 ずっと。
 ずっと、チカちゃんと一緒にいたい」


 もっとカッコいいセリフを言いたいのに。

 もっと想いを伝えたいのに。


 今の俺は心臓がバクバクと激しすぎて。


 こんな言葉しか出てこない。
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