声にできない“アイシテル”
「まったく、小山は焦りすぎだよ。
 危うく俺が悪者になるところだったじゃねぇか」

「だから、ごめんって。
 それより、何でお前とチカちゃんはそんなにくっついて立ってんだ?」


 さっきは先生に無理やり離されたけど、いつの間にか寄り添っていた。


「ああ、うん・・・」

 言おうかどうしようか迷う。


でも、小山はチカちゃんのイトコだし。

小山がいたから彼女と知り合えたわけだから、隠しておくのも悪いか。



「実は・・・、付き合うことになった」



「はぁっ!?」

 もともとそんなに大きくない小山の目が、バッと大きく開く。

「なんで松本たちがいた流れからそうなるんだよ?!」


「何でって・・・。
 説明するとややこしいことになるから、別の機会に。
 ま、とにかくそういうことなんだ」


 隣に立つ彼女に目をやると、ほほを赤く染めながらうなずく。




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