声にできない“アイシテル”
「危ないっ!」

 とっさに駆け寄って落ちてくる本をつかむ。


 チカは突然現れた俺にびっくり。

 ぱちぱちと瞬きを繰り返している。



 俺は受け止めた本を棚に押し込んだ。


「小さいのに無理したらダメだろ」

 彼女の頭をポンポンとたたいて苦笑する。


 チカはものすごい小柄ということではないけど、俺の背が高いので身長差が30センチくらいある。



“小さいって言わないでよ!”

 プリプリと怒りながら、書いたメモを俺に見せる。


―――なんで怒るのかなぁ。
   この小ささがかわいいのに。



 ムキになって顔を赤くする彼女がかわいくって、ついからかってしまう。

「小さいよ。
 うん、小さい、小さい」 

“そんなことないもん!!”

 プゥッとほほを膨らませるチカ。

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