声にできない“アイシテル”
―――指輪かぁ。


 チカにプレゼントしたら、すっごく驚くんだろうな。

 真っ赤になって、オロオロして。


 そんな姿が簡単に想像できて、つい口元が緩む。





「晃君。
 よほどその子が好きなのね」

「は?
 へ?」

「今、幸せそうな顔をしてたもの」


「あっ、そ、そう?」

 自覚もなしにニヤけるのはまずいよな。

 これからは気をつけよう。




「ふふっ。
 晃君にそんな顔をさせる彼女を、ぜひ紹介してね」

 
「うん、近いうちに」



 俺を変えてくれたチカを、叔父さんと叔母さんに会わせよう。


 きっと、チカのことを気に入ってくれるはず。


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