声にできない“アイシテル”
そしてチカの誕生日当日。
12月というのに、珍しく穏やかに暖かい。
学校帰りの途中にある公園に寄った。
少しだけ陽が傾いて、薄いオレンジ色の光が辺りを照らしている。
チカと並んでベンチに腰を下ろした。
遠くで子供たちの楽しそうな声がしているけど、俺たちの近くには人がいない。
カバンの中から包みを取り出す。
「誕生日、おめでとう」
チカがびっくりする。
何回か瞬きした後、メモに書き出した。
“私、今日だって教えてないよね?”
「小山に言われた。
付き合って初めての彼女の誕生日は重要なんだぞって。
すっげぇエラそうにさ」
“もう、圭ちゃんたら。
ね、開けていい?”
「どうぞ」
チカは嬉しそうにラッピングを解く。
中から出てきたのはチカが好きそうな色のペンと、やたら分厚いメモ帳。
その厚みに目を丸くしている。
12月というのに、珍しく穏やかに暖かい。
学校帰りの途中にある公園に寄った。
少しだけ陽が傾いて、薄いオレンジ色の光が辺りを照らしている。
チカと並んでベンチに腰を下ろした。
遠くで子供たちの楽しそうな声がしているけど、俺たちの近くには人がいない。
カバンの中から包みを取り出す。
「誕生日、おめでとう」
チカがびっくりする。
何回か瞬きした後、メモに書き出した。
“私、今日だって教えてないよね?”
「小山に言われた。
付き合って初めての彼女の誕生日は重要なんだぞって。
すっげぇエラそうにさ」
“もう、圭ちゃんたら。
ね、開けていい?”
「どうぞ」
チカは嬉しそうにラッピングを解く。
中から出てきたのはチカが好きそうな色のペンと、やたら分厚いメモ帳。
その厚みに目を丸くしている。