声にできない“アイシテル”
「だって、チカはおしゃべりだから。
 このぐらいじゃないと、すぐになくなっちゃうだろ」


 するとチカがぷぅっと膨れる。

“私はそんなにおしゃべりじゃないもん。
 アキ君に合わせて、話してるだけだもん”

「なんだよ。
 俺のせいにするのか?」


 クスクス笑うと、チカはぺろっと舌を出す。

“お互い様かな”

 と書いた。


“2人ともおしゃべりだから、こんなに厚いメモでもすぐになくなったりして”


「その時はまた買うよ。
 この先ずっと、俺がメモを買ってあげる。
 ・・・ずっと」


 俺の真剣な声に、チカは少し眉をひそめる。

“ずっと?
 それ、本気?”
 
 
 幼い自分たちが口にする『ずっと』は危うくて、もろくて。

 いつ崩れ落ちるか分からない。


 それでも、俺はずっと、ずっと、チカと一緒にいたい。


 この想いは遊びなんかじゃない。

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