声にできない“アイシテル”
 今日も学校帰りに2人でファミレスに。


 昼ご飯を食べながら楽しくおしゃべり。

 テーブルの上にはチカが書いたメモがたくさんだ。


 話の途中でチカはペンを置き、手を握ったり開いたりし始めた。


「もしかして、疲れた?」


 俺が訊くと、チカはへへっと笑ってうなずいた。

 手の具合を見ながら、ゆっくりとペンを動かす。

“アキ君といるのが楽しくて、いっぱい書いたから。
 少し手首が痛いかな”


 俺は口で話せばすむけど、チカは俺に対する返事や質問をいちいちメモに書いている。  

 2人の話が盛り上がるほど、チカに負担がかかってしまう。


「ごめん。
 俺が調子に乗ってしゃべりすぎたから」


 ううん、と首を横に振るチカ。


 でも、まだ手首のマッサージを続けている。


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