声にできない“アイシテル”
 これまでよりもたくさん話すようになって、チカは俺との付き合いにだいぶ慣れてきたみたいだ。

 それでも、少し遠慮がちになることがある。


「毎日しっかり勉強するよ。
 だけど、何かあったらすぐに俺に連絡して。
 あっ、何もなくてもメールしていいんだからね。
 分かった?」

 俺はまじめな顔で念を押す。

 こうでも言わないと、チカは俺に気を遣ってしまうから。


“分かった。
 アキ君が手の空いたころに必ずメールは入れるね。
 夜10時くらい?”

「そうだな。
 いつもそのくらいには勉強が一段楽するから。
 チカのメール、楽しみに待ってる」


 じゃあね、と手を振り合って、チカと別れた。


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