声にできない“アイシテル”
「え?」

 びっくりしてメモから顔を上げると、彼女の頬が苺のように真っ赤に染まっていた。



 顔の事を人に言われるのは好きじゃなかったけど。


 彼女にかっこいいと言われた事が、なんだか嬉しくて。



 これまでにない自分の感情に、どうしていいか分からない。




「あ、あの・・・。
 ありがと」

 間抜けな返事しかできない俺。




 彼女はちょこんと頭を下げると、隣りの司書室へと入っていった。


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