声にできない“アイシテル”
「“約束”もあげる。
 この指をダイヤのついた指輪で飾るから。
 俺がチカを支えられるくらい立派な大人になったら、絶対に贈るから」


 息を吸い込んで、言葉を続ける。

「・・・いつか、俺のお嫁さんになって」



 まだ未熟な俺がチカにささやく、精一杯の約束。





 チカは目大きく開いて、信じられないって顔をしている。

 
 そんな彼女の顔を両手で静かに挟んだ。


「絶対だからね。
 そしてこれは約束のしるし・・・」



 俺はゆっくりと顔を近づけて、チカの唇に自分の唇を重ねた。 




 
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