声にできない“アイシテル”
9章 愛すること・愛されること

変わらない日々

 大学には無事に合格。

 そして、この春から叔父さんと叔母さんの子供となった。


 まぁ、苗字は『桜井』のままだし。

 目立った変化はないけど。


 家族ができた、という安心感がわいてきた。


 養子になったことで、叔父さん達は本格的に俺を跡継ぎにするつもりだと言った。

 2人への恩返しの意味も込めて、はっきりと『継ぐ意思はある』と伝える。


 普段泣いたことのない叔父さんが涙ぐんでいた。

 それほど俺の返事が嬉しかったんだろうな。



< 238 / 558 >

この作品をシェア

pagetop