声にできない“アイシテル”
 ある日。

 仕事を終えた俺と今井さんは休憩室でコーヒーを飲んでいた。


 そこに携帯電話が鳴る。

 メールだ。

 差出人はチカ。



 俺はざっと目を通し、そのまま閉じる。


 メールを返さなくなって、もう10日。
 
 それでも、俺を責めることはないチカ。



『忙しいのは分かってるから、無理に返事はしなくていいよ。
 私が勝手にメールしてるだけだもん』


 俺に気を遣わせない内容を時折送ってくる。


 良心が痛むけど、やっぱりメールは返さない。


 日にちが開きすぎて、今更返事をするのが妙に気まずくて・・・。


 
 
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