声にできない“アイシテル”
 軽くパニックになっていると、叔母さんがウキウキと話し始める。 

「そのお嬢さんは私の古くからのお友達の娘さんでね。
 お名前は“由香里さん”と言うのよ。
 小さな頃から良く知ってるの。
 すごく気立てが良くてしっかり者で、晃君をしっかりと支えてくれるはずよ」


 叔母さんの横でうんうん、とうなずいている叔父さん。

 叔父さんはその女性について、事前に話を聞いていたらしい。

 だからこそ俺にこの写真を勧めてきたんだろう。


「語学が堪能な方らしい。
 英語はもちろん、中国語やイタリア語、フランス語も話せるそうだ。
 うちのホテルは海外進出もしているから、社長婦人としてうってつけじゃないか」

「晃君と由香里さんなら、私たちが引退しても安心よね」


 俺をそっちのけにして、叔父さんと叔母さんが盛り上がっている。




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