声にできない“アイシテル”
 2人が早くチカのことを認めてくれたらいいなと、真剣に思う。


 叔父さんのことも、叔母さんのことも、嫌いになった訳じゃないから。

 意見が合わないから、俺達の関係が今はうまくいっていないだけ。


 前のように仲のいい家族として過ごせるように、俺は自分の想いを一生懸命に伝えてゆく。


 このまま辛抱強く自分の意志を通せば、いずれ2人も俺達の結婚を許してくれると思っているから。


 だけど。

 俺の気持ちと叔父さんたちの考えが、完全に逆方向を示していて。

 最近、ちょっと気が重い。







“アキ君。
 このところ特に疲れた顔してるよね。
 お仕事、大変?”


 休みの日。

 例のごとくチカの部屋に来た俺に、彼女が言う。


「んー。
 大変と言えばそうかもな。
 でも、一時的なものだから」

 チカに余計な心配をかけたくないから、本当のことは言わない。

“そっか。
 早く落ち着くといいね”

 ソファに座っている俺にコーヒーを出しながら、チカが微笑みかけてくれる。
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