声にできない“アイシテル”
「うん。
 元気だけど」

 いつものように答えただけなのに、伯父さんはじっと俺の顔を見ている。


「どうかした?」

「ん、いや。
 別に」

 口元を緩めて、静かに笑っている。

 そういえば、さっきの伯母さんもこんな顔をしていた。



―――2人とも、何を誤解しているんだろう。

 彼らの意味不明な行動に首を傾げる。



「学校はどうだ?」
 ニコニコと俺に話を向ける伯父さん。


「まだ3日目だから。
 よく分からない」
 

「お前の事だから、またクラス中の女の子の視線を集めているんだろ?」
 にやりと楽しそうに伯父さんが笑う。


「どうだかねぇ」

 ハァ、とため息。


 クラスどころか、学年関係なく盛り上がっているらしい、とは言えなかった。

 口にしただけで、精神的にぐったりするから。



 静かな学校生活が送りたい・・・。
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