声にできない“アイシテル”
 缶コーヒーを手に取り、立ち上がってキッチンへ。

 プルトップを引いてジャバジャバと流し捨てる。


―――アキ君、さよなら。
   誰よりも、アキ君が好きだったよ。


 すっかり空になった空き缶をゴミ箱に入れる。




―――アキ君、愛してたよ・・・。


 声にできないアイシテルを心の中でつぶやく。





 カラン・・・。


 乾いた金属音が静かな部屋に響いた。



























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