声にできない“アイシテル”
 着替えもせず、ベッドに身を投げる。


―――どういうことなんだ?


 一週間前のチカの様子に、おかしなところはなかった。


 少しまじめな顔で“話があるから”と言ってたけど。

 それがいきなり姿を消したこととつながっているとは考えられない。


 おまけに、家族にも行き先を内緒にしたままなんて。


―――こんなのおかしい!
   

 チカは誰にも本当のことを告げずに、留学したのだろうか。

 もしかして、俺の出張の間に手紙でも来てなかっただろうか。



 俺はベッドから飛び降り、リビングへと向った。

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