声にできない“アイシテル”
「・・・え?」

 引きつるノドからやけにかすれた声が漏れる。


―――『アキ君、さよなら』?
   『もう会いません』?


 何度読み返してみても、それ以上の言葉は書かれていない。

 手紙を持って愕然とする。






「晃、どうしたんだ?」

 叔父さんと叔母さんが俺の肩越しに手元をのぞく。


「これは・・・」

「まぁっ」

 2人とも驚いた声を上げた。


 そのすぐあとに、2人の口元にわずかな笑みが浮かぶ。

 俺には背後にいる叔父さんたちの表情は見えない。



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