声にできない“アイシテル”
―――“もう会いません”ってどういうことだよ!?


 あまりの衝撃に、パニックになることも出来ない。

 手紙を持って、ただ立ち尽くす。



「晃、しっかりしろ」

 叔父さんに肩をたたかれ、ハッと我に返る。


「ねぇ、チカちゃんは何を送ってきたの?」

 叔母さんに促され、震える手で1つの包みを取り出す。


 包装紙から出てきたのはマグカップ。

 これは俺がチカの部屋で使っていたもの。


「な・・・んで・・・?」

 次々と出てくるものは、すべて彼女の部屋に置いていた俺の私物。




―――どうして送りつけてきたんだ?

 テーブルの上に広げた俺のパジャマや箸を見て、言葉が出ない。



「どうやら、チカさんはお前と手を切りたいらしいな」
 
 叔父さんがゆったりとソファに腰掛けながら言った。

「ま、まさかっ!
 そんなはずないよ。
 こんな時にタチの悪い冗談、言わないでくれ!!」


―――そんなの、あるはずない!!

 俺は叔父さんをにらみつけた。

< 340 / 558 >

この作品をシェア

pagetop