声にできない“アイシテル”
 病室の扉をノックする。


「こんにちは。
 どうぞ入ってください」

 アキ君が開けてくれた。


 昨日よりは表情が柔らかい。

 気分的に落ち着いているみたいだ。


―――良かった。

 私は軽くお辞儀をしてから、中に。





 昨日は私も戸惑うことが多かった。

 けど、一晩経って。

 今は冷静にアキ君と接することが出来る。


―――この分なら、きちんとお別れできそうだね。


 背の高い彼を見上げながら、そう思えた。


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