声にできない“アイシテル”
 この3日間。

 アキ君と付き合い始めてからのことを、ずっと考えていた。


 かっこよかったアキ君。

 面白かったアキ君。

 少し意地悪だったアキ君。

 優しかったアキ君。


 たくさんのアキ君を思い出した。


 どのアキ君も、私の胸の中で生き生きと存在している。


 これから先、今のアキ君と一緒に歩いていけなくても。

 私の中のアキ君と生きていくことが出来る。


 想い出にはもう、しがみつかない。

 前に進もう。


 時には彼を思い出すこともあるだろうけど。


 それは過去に戻りたいということじゃない。

 立ち止まることじゃない。


『こういうことがあったなぁ』と、単に懐かしむだけのこと。


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