声にできない“アイシテル”
新たなる地へ SIDE:チカ
「行っちゃったね」
横に立つお兄ちゃんがポツリと言う。
私は振っていた手をゆっくりと下ろした。
「チカちゃん、これで本当によかったの?」
心配そうな瞳のお兄ちゃん。
じっと私を見ている。
“どういうこと?”
「桜井さんに自分のこと、ぜんぜん話さなくてよかったの?」
私は大きくうなずいた。
“教えたところでどうにもならないもん。
どうにかなって欲しいとも思ってない。
だから、これでよかったんだよ。
アキ君とのことは、今日でみ~んなおしまい”
アキ君を見送って、2年間引きずっていた想いがようやく整理できた。
まだ完全にすっきりとまではいかないけど。
もう少し時間が経てば、胸の痛みは小さくなるはず。
アキ君はもう、過去の人。
思い出の中でしか、存在しない人。
『桜井 晃』という人物は、この先の私の人生に一切登場しない。
―――これでよかったんだよ・・・。
お兄ちゃんを見上げて、ニコッと笑った。
横に立つお兄ちゃんがポツリと言う。
私は振っていた手をゆっくりと下ろした。
「チカちゃん、これで本当によかったの?」
心配そうな瞳のお兄ちゃん。
じっと私を見ている。
“どういうこと?”
「桜井さんに自分のこと、ぜんぜん話さなくてよかったの?」
私は大きくうなずいた。
“教えたところでどうにもならないもん。
どうにかなって欲しいとも思ってない。
だから、これでよかったんだよ。
アキ君とのことは、今日でみ~んなおしまい”
アキ君を見送って、2年間引きずっていた想いがようやく整理できた。
まだ完全にすっきりとまではいかないけど。
もう少し時間が経てば、胸の痛みは小さくなるはず。
アキ君はもう、過去の人。
思い出の中でしか、存在しない人。
『桜井 晃』という人物は、この先の私の人生に一切登場しない。
―――これでよかったんだよ・・・。
お兄ちゃんを見上げて、ニコッと笑った。