声にできない“アイシテル”
「晃君。
なんだか楽しそうね」
すぐ横に立つ叔母さんが言う。
「そんな顔、してますか?」
「してるわよ。
実はね、記憶喪失だと聞かされて、正直今もパニックなんだけど。
あなたの明るい表情が見られて、安心したわ。
よほど病院のスタッフによくしてもらえたのね」
「はい。
本当にお世話になりました」
大野さんは病院とは関係ない人だけど。
あえて説明する必要もないと思って、叔母さんには素直にうなずいておいた。
自分の家だというのに、リビングに通された俺は落ち着かない様子でソファーに座っている。
叔母さんが苦笑しながらコーヒーを出してくれた。
「もっとくつろいでいいのよ」
「あ、はい。
すいません」
硬い返事をすると、また叔母さんが笑った。
「ふふっ。
順二さんが帰ってきたら食事にしましょうね。
もうそろそろだと思うわ」
言ってるそばから、玄関で『ただいま』と言う声がした。
なんだか楽しそうね」
すぐ横に立つ叔母さんが言う。
「そんな顔、してますか?」
「してるわよ。
実はね、記憶喪失だと聞かされて、正直今もパニックなんだけど。
あなたの明るい表情が見られて、安心したわ。
よほど病院のスタッフによくしてもらえたのね」
「はい。
本当にお世話になりました」
大野さんは病院とは関係ない人だけど。
あえて説明する必要もないと思って、叔母さんには素直にうなずいておいた。
自分の家だというのに、リビングに通された俺は落ち着かない様子でソファーに座っている。
叔母さんが苦笑しながらコーヒーを出してくれた。
「もっとくつろいでいいのよ」
「あ、はい。
すいません」
硬い返事をすると、また叔母さんが笑った。
「ふふっ。
順二さんが帰ってきたら食事にしましょうね。
もうそろそろだと思うわ」
言ってるそばから、玄関で『ただいま』と言う声がした。