声にできない“アイシテル”
「それより、新しいシステムはきちんと作動してる?」


 あのシステムには自信があったし。

 横山のことは信頼しているけど。

 実際どうなっているのかは、ずっと気になっていた。

 
 システムがうまくいってくれないと、この先の俺の長期休暇にも関わってくるからな。

 体調が回復したら、またイギリスに行くのだから。




 尋ねると、叔父さんは大きくうなずく。 

「ああ。
 信じられないくらい業務が順調だよ」

 叔父さんはなんとも言えない表情をしている。

「自分がいなくなってもいいように、あれだけの手はずを整えていたとは・・・。
 晃。
 チカさんのこと、本気なんだな」

 まっすぐに俺を見る叔父さんの目は、最後の確認と言った感じだ。


「当たり前だろ。
 俺にはチカしかいないんだから」


 何があっても。

 どんなに邪魔をされても。

 俺は絶対にチカを手放したりはしない。


 そんな想いを込めて、2人に向ってはっきり言った。



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