声にできない“アイシテル”
 お兄ちゃんと同居するようになって、これまでのお兄ちゃんとはどこか違う感じがしていた。

 それが『私に対する恋愛感情』だったなんて。


―――まさか。
   そんな・・・。


 唖然とする私の頭を、ポンと軽く叩くお兄ちゃん。

「具合が悪い時にする話じゃないね。
 今はゆっくり休んで」


 私は何も言い返せず、ただ小さくうなずく。


「隣の部屋にいるから。
 たまに見に来るよ」

 そう言ってお兄ちゃんは出て行った。

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