声にできない“アイシテル”
“そんな大事なこと、どうしてもっと早くに教えてくれなかったの?”
『将来はコックになりたい』って、お兄ちゃんは言ってたのに。
まさか、私のことがあって医者になっただなんて。
自分の病気が,お兄ちゃんの人生を、将来の夢を変えてしまったなんて。
考えたこともなかった。
想像すらしなかった。
私が尋ねると、お兄ちゃんは静かに答える。
「本当に医者になれるかどうかは、やってみないと分からなかったし。
それに・・・」
“それに?”
「いざ医者になって留学先から日本に戻ってきた時には、チカちゃんに素敵な彼氏がいたから。
言えるわけないよ」
私から視線をすっと逸らし、寂しそうにお兄ちゃんが微笑んだ。
『将来はコックになりたい』って、お兄ちゃんは言ってたのに。
まさか、私のことがあって医者になっただなんて。
自分の病気が,お兄ちゃんの人生を、将来の夢を変えてしまったなんて。
考えたこともなかった。
想像すらしなかった。
私が尋ねると、お兄ちゃんは静かに答える。
「本当に医者になれるかどうかは、やってみないと分からなかったし。
それに・・・」
“それに?”
「いざ医者になって留学先から日本に戻ってきた時には、チカちゃんに素敵な彼氏がいたから。
言えるわけないよ」
私から視線をすっと逸らし、寂しそうにお兄ちゃんが微笑んだ。