声にできない“アイシテル”
―――あれは正夢!?

 あまりのショックに体がガタガタと震える。



「桜井さん!!
 大丈夫ですかっ!」

 驚いた山下さんが腕を伸ばし、俺の肩を揺さぶった。

「あ…。
 す、すいません」

 正気には戻ったが、動揺は収まらない。


 そんな俺を見て、山下さんは申し訳なさそうな表情だ。

「やっぱり、驚きますよね?」

「はい…。
 気を失いそうでした」

 ため息と共に力なく答える。


 俺がそう言うと、山下さんは少し眉を寄せる。

「それは悪いことをしてしまいましたね。
 でも、チカちゃんに対して真剣なあなたに隠しておくのは卑怯だと思ったんです。
 そんなに驚かれるとは思わなくて、こちらもびっくりしましたが」


 お互い苦笑し、落ち着くために冷めてしまったコーヒーに口をつけた。




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