声にできない“アイシテル”
ふぅ、と一息吐いて、俺が先に口を開く。
「あの…。
チカと一緒に暮らしているんですよね?
それって…」
続きは怖くて言えなかった。
ところが、返ってきた言葉は俺が考えていたものとは違った。
「住む所がない彼女に部屋を提供しているだけですよ。
同棲とは言えないと思います」
「そうですか…」
思わず安堵のため息。
だけど。
「将来的にチカちゃんとの結婚を考えています」
しっかりとした意思を持つ山下さんの言葉に、再び目の前がくらむ。
「そのことについて、チカはどう考えているんですか…?」
搾り出すような弱々しい俺の声。
チカは心変わりしてしまったんだろうか。
“声が出ない”という理由だけで切り離したあの2人を両親に持つ俺よりも。
ずっと見つめて、ずっと見守ってきた山下さんを選んだのだろうか。
俺がこれまでにしてきた2年間は無駄だったのだろうか…。
「あの…。
チカと一緒に暮らしているんですよね?
それって…」
続きは怖くて言えなかった。
ところが、返ってきた言葉は俺が考えていたものとは違った。
「住む所がない彼女に部屋を提供しているだけですよ。
同棲とは言えないと思います」
「そうですか…」
思わず安堵のため息。
だけど。
「将来的にチカちゃんとの結婚を考えています」
しっかりとした意思を持つ山下さんの言葉に、再び目の前がくらむ。
「そのことについて、チカはどう考えているんですか…?」
搾り出すような弱々しい俺の声。
チカは心変わりしてしまったんだろうか。
“声が出ない”という理由だけで切り離したあの2人を両親に持つ俺よりも。
ずっと見つめて、ずっと見守ってきた山下さんを選んだのだろうか。
俺がこれまでにしてきた2年間は無駄だったのだろうか…。