声にできない“アイシテル”
「ごめんな」

 チカは首を横に振る。

「もう謝らないで。
 アキ君がまだ私を好きでいてくれたから。
 それで十分満足だよ」

 ようやくチカが顔を上げる。

 そして、柔らかい微笑みを俺にくれた。


 何もかもを包み込み、許してくれるチカの微笑み。

 その微笑みがあまりにも綺麗だから、切なくて泣きたくなる。


―――やっぱりチカはマリア様だ。

 今も昔も、変わらないチカをずっとそばにとどめておきたくて、俺はある提案を持ち出すことにする。

「ははっ、何言ってんだよ。
 この程度で満足なんて甘いぞ。
 日本に帰ったら、すぐに結婚だからな」

 にやりと笑う俺。

「…え?
 ええっ!?」

 大きな瞳をまん丸にして驚くチカ。




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