声にできない“アイシテル”
「おかえり」

「予定より早くついたのね」

 2人ともぎこちなく微笑む。


「道が思っていたより空いていたんだ。
 ほら。
 チカ、座って」

 促され、チカは叔父さんたちに頭を下げてから腰を下ろした。


 それを見て、叔父さん達も腰を下ろす。


 俺は一呼吸置いてから口を開いた。

「色々報告があるんだけどさ…」


 言いかけたところで、叔父さんが遮る。

「話の前に、まずは謝らせてくれ」


 そう言って2人はチカに向って深々と頭を下げた。


「チカさん、あなたには本当に悪い事をしてしまった。
 申し訳ない」

「謝って済む事ではないけれど、本当にごめんなさいね」

 そして改めて頭を下げる2人。

< 543 / 558 >

この作品をシェア

pagetop