声にできない“アイシテル”
「お前たちの事はもう反対する必要もない。
 チカさん、ぜひ晃と結婚してやってください」

 穏やかに笑う叔父さん。


「言われなくたって、俺と結婚するよな?」

 グイッと肩を抱き寄せ、チカの頬にチュッと軽くキスをする。

「ひゃっ!
 ア、アキ君?!」

 初めて会った日のように、苺と同じくらい真っ赤になるチカ。



「おやおや、あまり見せつけないでくれ。
 こっちが照れてしまうよ」

 叔父さんと叔母さんは楽しそうに俺達の様子を見ている。

「さぁて、これから式の準備で忙しくなるな。
 私たちはいくらでも協力するぞ。
 遠慮なく言ってくれ」

「どうせなら、ウチで一番いいホテルを貸し切りで式を挙げない?
 チャペルが好評なのよ」

「チカさんは色が白いから、どんなドレスも似合いそうだ」

「あら、日本人なら和装よ。
 チカちゃん、思い切って十二単着てみる?
 晃君のはかま姿も、きっと素敵よねぇ」


 俺達そっちのけで話しを進める2人。

 罪滅ぼしということなのかもしれないけど、本当に喜んでくれているのが伝わってくる。



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