声にできない“アイシテル”
「チカ、どうする?」

 どんどん決まってゆく話に、チカは困ったように叔父さんたちと俺を交互に見やる。

「あ、あの…。
 私、そんなに豪華な式じゃなくていいんだけど…」


「でも、こうなったあの2人は止められないよ」


 俺がクスッと笑うと、チカも苦笑い。

「そうみたいだね。
 ようし、私も話に参加しなくちゃ。
 すいませーん。
 花束贈呈は、自分が生まれた時の体重と同じ重さのテディベアにしてくださーい」

 手を上げて、チカが叔父さんたちの話に入っていく。


「いいわよ。
 ねぇ、晃君は何かリクエストないの?」

「そうだなぁ。
 チカのお色直し、5回は見たい」

「5回も!?」


 驚くチカをよそに、叔父さんは手を叩いて賛成する。

「それはいい!
 そうすればドレスも着物も好きに着られるな」

「で、でも!
 5回は多すぎじゃないですか?!」


 確かに、ウエディングドレスとカラードレスの2着が一般的だ。

 チカが驚くのも分かる。


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