声にできない“アイシテル”
 だが、叔父さんも叔母さんも、盛り上げることにかけては全力投球な人たち。

 チカの言い分が通るはずはない。


「何、遠慮してるの。
 一生に一度のイベントなのよ。
 目一杯やりつくさなくちゃ。
 晃君もそう思うでしょ?」


「そうそう。
 俺の自慢の彼女をみんなに見せびらかすいい機会だからな。
 チカ、とびっきりのドレスを選ぶんだぞ」


「や、やだっ。
 自慢の彼女だなんて、恥ずかしいっ」


 ボン、と音がするほど瞬間的に真っ赤になったチカを見て、俺も叔父さんも叔母さんも笑った。

 誰もが本当に楽しそうだ。

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