声にできない“アイシテル”
 夕食の準備を済ませ、リビングで絵本の下書きをしている私。

 そこに玄関のチャイムの音。


 同時に子供達がバタバタと走ってくる。

「ママー。
 パパが帰ってきたよー」

「パパ、きたよぉ」

 
「じゃぁ、みんなで“おかえり”って言いにいこうね」


 私は子供達の手を引いて、3人で玄関に向う。


 扉を開けると、子供達が我先にとアキ君に飛びついた。


「パパ、お帰り!」

「おかえりぃ」


 頼もしいパパは子供達をガッチリと受け止め、ビクともしない。

 ぎゅうっと抱きしめた後、2人をそっと下ろす。

「ただいま。
ユカ、晃太、今日もいい子にしてたか?」

 嬉しそうに子供達の頭をなでるアキ君。


 仕事が忙しくて疲れているのに、いつも子供達には“いいパパ”でいてくれるアキ君。

 もちろん、私にとっても“いい旦那さん”であるけどね。


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