声にできない“アイシテル”
4章 晩秋
ファンクラブ発足
10月になった。
高3のこの時期といえば、目前に迫った大学受験のことで誰もが頭が痛い。
それだけでも気が滅入るのに、女子達は相変わらず俺のことを見てささやいている。
いや、相変わらずじゃなくって、何倍にも増幅している。
体育祭で目立ったのがまずかったようだ。
―――なんで、あんなことしちゃったんだよ?
改めて考えてみても、あの時の自分の行動が理解できない。
とはいえ、もう後の祭りだ。
雑音を耳にしながら過ごす学校生活はうっとうしくてたまらない。
だから口数だって減るし、表情だってしかめっ面になるというのに。
女子達からすると、それが『クールでミステリアスで、かっこいい』んだとよ。
ホント、女の思考回路ってわかんねぇ。
更に頭が痛い事に、俺のファンクラブまで出来たらしい。
同じクラスの松本エリカって言う女が会長。
コイツは高校生のクセにばっちり化粧をして、明るい茶色の髪はくるんくるんに巻いている。
俺だったら身支度に時間をかける分、ゆっくり寝ていたほうがよっぽどいい。
それに学校に来るのに、どうしてそんなにメイクに力を入れるんだろうか。
いくら自由な校風とはいえ、これはやりすぎだ。
うわべだけいくら綺麗に着飾ったところで、中身が伴っていなければ無意味どころか逆効果なのに。
高3のこの時期といえば、目前に迫った大学受験のことで誰もが頭が痛い。
それだけでも気が滅入るのに、女子達は相変わらず俺のことを見てささやいている。
いや、相変わらずじゃなくって、何倍にも増幅している。
体育祭で目立ったのがまずかったようだ。
―――なんで、あんなことしちゃったんだよ?
改めて考えてみても、あの時の自分の行動が理解できない。
とはいえ、もう後の祭りだ。
雑音を耳にしながら過ごす学校生活はうっとうしくてたまらない。
だから口数だって減るし、表情だってしかめっ面になるというのに。
女子達からすると、それが『クールでミステリアスで、かっこいい』んだとよ。
ホント、女の思考回路ってわかんねぇ。
更に頭が痛い事に、俺のファンクラブまで出来たらしい。
同じクラスの松本エリカって言う女が会長。
コイツは高校生のクセにばっちり化粧をして、明るい茶色の髪はくるんくるんに巻いている。
俺だったら身支度に時間をかける分、ゆっくり寝ていたほうがよっぽどいい。
それに学校に来るのに、どうしてそんなにメイクに力を入れるんだろうか。
いくら自由な校風とはいえ、これはやりすぎだ。
うわべだけいくら綺麗に着飾ったところで、中身が伴っていなければ無意味どころか逆効果なのに。