声にできない“アイシテル”
「そんなに驚く事かぁ?」

 まるで幽霊でも見ているかのように俺に視線を向ける小山にあきれた。


「そりゃ驚くよ。
 女子に対しては“うるさい”とか“邪魔だ”しか言わねぇお前だからさ」

「大した意味はないよ。
 動物みたいってだけで、褒めたつもりじゃないし」


「それでもさっきの“可愛い”ってのは、悪い意味じゃないだろ?」


「んー、まぁ、そうかも。
 あんまり考えずに言ったことだし、気にすんなよ」


 こんな話をしているうちに試合は終了。



 俺達は先生のところに集合し、それぞれ教室へと向かった。


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