イケメン貴公子のとろけるキス
思わぬことに開いた口が塞がらない。
ルカが戸惑う私の肩を抱き、バスルームへといざなう。
そして、私を中に押し込めてドアをそっと閉めた。
紙袋に手を伸ばすと、中から出て来たのは、膝丈まであるAラインのワンピースだった。
薄いブルーは、私の好きな色だ。
着ているものを脱いで袖を通してみる。
ウエストの辺りがちょっと大きめな気もするけれど、ほぼジャストサイズだった。
鏡の前で向きを変えながら、いろんな角度で見ているときだった。
「ミナ、どう?」
「キャッ!」
ノックと共にドアが開けられたものだから、思わず小さく悲鳴を上げてしまった。
まだちゃんと着られていなくて、背中がパックリ開いているのだから。
そんな状態をルカに見られるなんて、恥ずかしいにもほどがある。
「僕が留めてあげるよ」
ルカは私の肩を掴んでクルリと回転させた。
背骨に沿ってボタンが施されていて、自分で留められたのは腰のあたりだけ。
そこから上は、どうやっても上手に出来なかった。