いざ、2次元の世界へ
「南はともかく、2人はなんで知らないの。この話、結構有名なのに…」
ヒロインの話になってから、カエデはさっきと打って変わって、テンションが低い。
もしかして、3次元の人間を恐れているのも、これに関係しているのだろうか。
「確か、1ヶ月くらい前。この世界に初めて3次元の人間が来たでしょ? 覚えてる?」
「ああ…そんなうわさもあったな」
「俺、その日休んでた」
「えーっ!? もっと、関心持ってよぉ!」
適当に流す2人に、可愛く怒るカエデ。
そんなほのぼのとした雰囲気に、思わず笑みがこぼれてしまう。
「ちょっとそこ! 笑うとこじゃないから!」
「うん…ふっ……ご、ごめん」
「声が漏れてる!」
そう、そうだよ。
私はこんなことがしたかったんだ。