いざ、2次元の世界へ
「アンナって、平凡系女子の設定だもんね」
「南まで!?」
頑張ってタイガの誤解を解こうとするが、私も返り討ちに遭ってしまった。
「いや、2人の言い分は間違っていないと思う。見た目がかわいいだけなら、他にももっといっぱいいるし。何なら、隣の席の女子の方が顔立ちは良い。それに、南は原作を知っている。南の言うことが、この世界の全てだろう」
ソウスケが私たちをかばうように言う。
出会ったときに比べて、私の存在も認められてきているような気がする。
「…で、アンナが消えた理由って、ナンパされたからなの?」
「ううん、違う。僕らはナンパから助けた。その頃にはまだ居たし、きっともう少しあと。まあ、僕も正確には分からないんだけど」
「分かんねぇのかよ! よくそれで、偉そうに言えたなぁ! 一番年下のくせに!」
これは、まずいことになってしまった。
カエデが、アンナが消えた日を知らなかったとは。
そりゃあ、タイガが怒るのも、無理はない。
なんだか私も、強い怒りを止めるの疲れてきた。
カエデにはかわいそうだが、そろそろタイガの自由にさせてあげよう。